2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

I saw this movie as the main character, Arthur, not as an evil charisma, but as a man raised by a mother with a narcissistic personality disorder. The first half is in Japanese and the second half is in English. ブログ全体の前半が日本語、後半が英語です。日本語のもくじは、各記事の下にあります。

#4 バスの中で黒人の子供と母親 シナリオPage6

2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

 


The Joker loses control of their laughter on a public bus "Joker" Part 005

 

笑いの発作を説明するカードを、映画を見ている人に知ってもらうためのシーン

 

 わたしの友人のアメリカ人がうち(日本)に来たときの話ですが、彼いわく、アメリカではバスは貧困層が乗るもので「バスに乗っている人たちはみんな悲しい」ということでした。

 わたしはアメリカ旅行中に普通にバスに乗ったので、彼の話を「大げさだな」と思って聞いていましたが、映画『ジョーカー』のこのシーンのバスは、彼が意図したような感じのバスのようです。

 日本に住んでいるとわからない感覚です。

 

 

 アーサーが百面相をして子供を笑わせていると、母親が「かまわないで」と文句を言います。

 困ったアーサーは笑いの発作を起こし、病気を説明するカードを出して見せます。

 このシーンは、アーサーがこのカードを持っていて、必要なときはそれを出して人に見せることを知らせるシーンです。地下鉄内で笑いの発作が起き、カードを見せようとして荷物を奪われて3人を射殺するに至るシーンの伏線です。

 

 このシーンはシナリオでは、カードを渡された母親がよく読みもせずにそれを床に投げ捨てるとありますが、映画ではカードは読まれて、母親は「Sorry」と言ってくれます。

 バスに乗っているマイノリティの女性さえアーサーには冷たい=アーサーを尊重してくれる人はこの世に誰一人としていない、というシーンにするつもりだったのでしょうが、この映画を見る黒人の方たちに配慮して変更になったのでしょうか。

 どうしても、この母親がSorryと言ったのに違和感があります。

この時点では『持たざる者』の人たちさえアーサーを受け入れていないが、3人射殺のあとピエロデモのあたりから受け入れてもらえて…というのがストーリーの流れのはずなのですが。

 

 

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