2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

I saw this movie as the main character, Arthur, not as an evil charisma, but as a man raised by a mother with a narcissistic personality disorder. The first half is in Japanese and the second half is in English. ブログ全体の前半が日本語、後半が英語です。日本語のもくじは、各記事の下にあります。

#2 楽器店の閉店セール シナリオPage4

2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

 


Some guys steal the Joker's ad poster "Joker" Part 002

 

理不尽に蹴られても、助けを呼ぶことも抵抗することもできないのは、そう育てられたから

(シナリオではシーンの順番が違っていて、ここにはソーシャルワーカーとの面談が来ています)

  ピアノに合わせてアーサーが黄色い看板を振りながら踊っていると、少年グループがその看板を奪って逃げます。アーサーは大きすぎる靴をバタバタいわせながら追いかけ、路地に入っていくと看板で殴り倒されてしまいます。

 アーサーは手で股間を守るだけで、やられっぱなしです。

 

 あまりにもみじめで、見ているだけで悲しくなります。初めて見たときは、ここでこの映画を見るのをやめようかと思いました。

 みじめなアーサーの姿の前面に、映画のタイトルが大きく映し出されます。

 

 アーサーは無抵抗です。

 アーサーのように育てられた人は、『「助けて」と言ったら助けがくる』という発想がありません。だから抵抗することも助けを呼ぶこともできず、蹴られたら蹴られっぱなし、理不尽なことを言われても言い返すことができません。 いい親に育てられた方には理解しがたいところかもしれませんが。

 ここは、地下鉄で初めて人を殺すところの伏線です。このシーンでは無抵抗でしたが、地下鉄では自分を守ることに成功しました。

 世間的には、人を殺したら犯罪者となって普通の生活を送れなくなるわけなので成功とは言えませんが、アーサーとしては成功で、あそこを境に彼の変容が始まります。

 

 

 ところで、人との対応のまずさに関し、アーサーのIQの低さを指摘する方もいらっしゃいます。毒親育ちとして思うのは、『あまりにも悲しみや怒りが強いと、本来のIQを発揮することは不可能』だということです。

 怒りは強いけれど、その原因がわからず、物事をどう受け取ったらいいのかもわからない状態です。

 その上、精神科の薬を大量にのんでいたら、ぼんやりしていても当たり前ですね。

 人との対応のまずさに関し、アーサーのIQの低さを指摘する方もいらっしゃいますが、毒親育ちとして思うのは、『あまりにも悲しみや怒りが強いと、本来のIQを発揮することは不可能』だということです。

 怒りは強いけれど、その原因がわからず、物事をどう受け取ったらいいのかもわからない状態です。

 

 前回も書きましたが「自分が抱えている怒りの原因がわからない」ということが理解できない方もいらっしゃると思います。もしそうなら、「そういう人もいるし、IQが低くてわからないわけではない」とだけ、できましたら覚えておいてください。

 アーサーのIQが低くはない証拠としては、最後にマレーのショーで言いたいことを言ったシーンがあります。アーサーは、流暢で、とてもIQが低いようには見えませんでしたよね。

 

 

 

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