#29 初めて知る出生の秘密
2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析
帰宅したアーサー。ウキウキで母親と踊ってしまいます。
曲はThat’s Lifeです。現実のシーンです。
Joker Official Soundtrack | That's Life [Instrumental Version] | WaterTower
母親がまたトーマス・ウェインに手紙を書いたと言い、アーサーはそれを読んでしまいます。
その手紙には、自分がトーマス・ウェインの息子であると書かれており、今まで隠していたことで母親に怒りを爆発させます。
Joker 2019 - Arther angry on his mother scene
ここでシナリオでは荒れるアーサーに母親が「どうしたの? また自分を傷つけているの?」と尋ねますので、アーサーが以前、精神病院に収容されたのは、自傷が理由だったことが判明するのですが、映画を見ているだけではわからなくなっています。感情が噴出して自分を痛めつけ、困ったペニーが精神病院に入れたわけです。
アーサーはなぜそんなに苦しんでいるのか―自己愛性パーソナリティー障害で支配的には見てなくてもじわじわコントロールしてくる母親に育てられたら気が狂いたくなるのですが、これは普通の人にはわかりにくいところかと思います。理解はできないですよね。
アーサーは、直前の幸せな妄想のおかげと、手紙の真偽を確かめたいため気持ちをおさえることに成功し、母親から話を聞くことができました。
母親いわく、トーマス・ウェインは素晴らしい人で、自分たちは恋に落ちたが、すべてのラブストーリーがハッピーエンドに終わるわけではない。だから誰にも言わないと約束して書類にサインした。アーサーはトーマス・ウェインの息子である、ということでした。
書類にサインした時点でアーサーは「小さかった」そうですから、すでに生まれていたことになります。ウェイン家としてはずいぶんと遅い対応ですね。映画なので、そこまで言ってもしかたないですが。