#28 ソフィーとのデート
2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析
Joker (2019) - Arthur walks Sophie Home Scene HD
妄想の続きです。
ライブのあと、コメディ・クラブを出たアーサーとソフィーは、二人で楽しそうに歩いていきます。
ニュース・スタンドで、『殺人ピエロ 逃亡中』と書かれた新聞が売られています。
ソフィーは輝くような表情で、ピエロを「この街のヒーローよ」と言います。
この時、アーサーの目の前を一台のタクシーが通りすぎていきます。
中にのっている一人は、ピエロのマスクをしていて、タクシーの窓からアーサーをじっと見つめてきます。
この意味ですが、「いままで誰も自分を見る人はいなかった」とアーサーはソーシャルワーカーに話をしていましたね。「でも世間も気づき始めた」と。
このシーンで目の前を通り過ぎていくピエロマスクの誰かは、アーサーに気づいて注目しはじめた世間の象徴で、もちろんアーサーの妄想です。
今までは誰も自分を見てくれなかったけど、今は見てもらえる、という妄想。
アーサーは笑顔でタクシーを見送ります。
そのあと二人はドーナツ・ショップで食事をし、ソフィーの笑顔がはじけて、アーサーは幸せです。妄想ですが。
ここで幸せにしておいて徐々に落としていくという流れです。