2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

I saw this movie as the main character, Arthur, not as an evil charisma, but as a man raised by a mother with a narcissistic personality disorder. The first half is in Japanese and the second half is in English. ブログ全体の前半が日本語、後半が英語です。日本語のもくじは、各記事の下にあります。

#23 職場を引き払う

2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

 


DON'T forget to SMILE | Joker (2019)

 

 アーサーが、自分のロッカーを空にしています。クビになったので、ひきはらっているところです。

 仲間が「大変だったな」など声をかけてきて、ランダルもまるで何事もなかったかのように話をしています。

「本当に小児病棟に銃を?」と仲間の一人に聞かれ、「ランダルに聞けよ。ランダルの銃だ」

 アーサーがそう言ったので、みんな少し驚きました。

 はっきりものを言えるようになったアーサーの誕生です。

 騒いでランダルに仕返しをしようとしないのは、このタレント事務所にもう辟易したからでしょう。タイムカードの機械は叩きこわしました。

 事務所のドアを出たアーサーは、光の中にひとりで颯爽と出ていったように見えます。

 

 

 シナリオではタイムカードの機械を叩き落とすシーンはなく、代わりに階段でアーサーとランダルが二人でこそこそと話をします。

 ランダルは地下鉄内の殺人をアーサーがやったのか聞き、アーサーは否定しますが、あきらかに「自分がやった」と知らせるような口ぶりです。

 ランダルをおちょくって楽しんでいる感じです。

 

 このシーンはほんの少し妄想が入っているように見えます。

 本当は、こんなに上手に喋ることはできなかったかもしれないけれど、「こうできていたら」…という思いが、アーサーの中で「こうできた」になってしまったのでは。

 My Name Is Carnivalが流れる中、光の中に出ていくところは、かっこよすぎですね。

 

 映画のコピーで『悪のカリスマ』というのがありましたが、それは「人を殺しても楽しそうにしている」このあたりのアーサーの態度から考えられたのかもしれません。人を殺して自信を取り戻そうとしていますし、人非人と言われてもその通りです。

 でもアーサーは『悪のカリスマ』ではありません。無差別に殺したわけではなく、他に仕方ないところまで追い詰められていたから、自分を守っただけですよね。

 もちろん殺人はよくないですが。

 

 

   

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