2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

I saw this movie as the main character, Arthur, not as an evil charisma, but as a man raised by a mother with a narcissistic personality disorder. The first half is in Japanese and the second half is in English. ブログ全体の前半が日本語、後半が英語です。日本語のもくじは、各記事の下にあります。

#8 ロッカールームで銃をもらう

2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

 


Randall gives the gun to Arthur | Joker [UltraHD, HDR]

 

伏線をつめこんだシーン

 

 アーサーのいびつな背中がこちらを向いています。

 このいびつさは、アーサーの心の状態を表しているように感じます。

 背中の右上部にアザがあります。これは、ラジエーターに縛り付けられていた跡でしょうか。誰が縛り付けたかは…多分トーマス・ウェインの部下ですが・・・・一応不明ということにしても、縛り付けられたことは事実です。

 

 シナリオでは『窮屈なロッカールーム』となっていますが、日本人のわたしから見ると、ここはかなりゆったり広々しています。でもシナリオでは『小さいタレント事務所』だそうです。アーサーの職場です。

 同僚のランドルがやってきてアーサーに声をかけます。「襲われたって聞いたよ」

ここ、重要です。ランドルはアーサーが襲われたのを知っていました。この後のシーンで上司は、襲われたことを報告しなかったと言ってアーサーを責めましたが、報告しなくてもみんなが知っていたわけです。

 

 そしてランダルはアーサーに銃を渡して、「あげる」と言います。

 アーサーは銃を持つのはいけないと言いますが、ランダルは優しい笑顔でこう言います。

「心配するな。誰にも言わない。礼はいつでもいい。いいな、坊や」

 あとでアーサーはランドルに裏切られますので、ここはその時のための伏線です。

 

 小人のゲイリーがやってきて、上司のホイトがアーサーを呼んでいると声をかけます。

 ここでランダルはゲイリーにひどいことを言います。『ランダルは酷いやつだからあとで酷いことをするぞ』という意味の伏線です。ランダルはアーサーを裏切って、最後は殺されます。

 ランダルの酷いジョークにアーサーも大笑いしたのでゲイリーは傷ついた顔になりますが、アーサーは面白くて笑ったわけではないですね。笑いたくないのに笑ってしまうのって、そのたびに自分も傷つきそうです。

 

 

   

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