2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

I saw this movie as the main character, Arthur, not as an evil charisma, but as a man raised by a mother with a narcissistic personality disorder. The first half is in Japanese and the second half is in English. ブログ全体の前半が日本語、後半が英語です。日本語のもくじは、各記事の下にあります。

#44 ショー出演の練習

2019年公開映画『ジョーカー~JOKER』分析

 


Joker Movie | I'm Also A Comedian Clip | Warner Bros. Entertainment

 

 

 アーサーはマレー・フランクリン・ショーに出る練習をしています。

 シナリオでは、『他の人たちのようにふるまう方法を研究している』となっています。

「ノックノック」というのは、ジョークの定型パターンで、「ノックノック」と言ったら、相手が「誰?」と聞き返すと決まっていて、そこから面白いオチにつなげるものだそうです。

 

 マレーが自分を笑いものにするつもりであることがわかっているステージですが、そこでアーサーは、いかにスマートに自殺するか、練習をしています。

 コメディアンとして成功しようとしているわけではなく、いかに自殺するかの練習です。

 

 この段階では、マレーを殺すのではなく、自殺するつもりでした。

 人生にオチがついたような、満足そうな顔です。

 

 

 アーサーが母親を殺した理由は。

『母親が自分への虐待を傍観した』という書類を信じたとしても、その後の数十年にわたる同居生活の中で本当の愛を感じていたら、殺すはずがありません。

 心の底でずっと本当は憎みつ、でもそれはいけないと思って怒りに蓋をしてきましたが、虐待の書類を見たことで、それまで禁忌だと思ってきた『母親への憎しみ』を、自分に許せたのでしょう。そして殺しました。

 

 自殺することにした理由は。

母親を殺したことを後悔したわけではありません。

ずっと死にたいと思ってきたけれどできなかったのは、もしかしたらいつか幸せになれるかもしれないという小さな希望があったからです。でも、母親を含めて4人殺して、その小さな希望はなくなりました。これで心置きなく死ねるという感じです。

 

 

 ところで、ここで流れるように用意された曲の曲名は、「ノーマルに行動する方法を学んで」となっていて、つい「アーサーが自分を馬鹿だと知っていて、おりこうなフリをするために他の人のやり方を研究している」と思ってしまいそうになります。監督さんが曲名をつけたわけではないのでしょうから、どうでもいいですが。


Joker Official Soundtrack | Learning How to Act Normal - Hildur Guðnadóttir | WaterTower

 

 

 

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